発酵ラブソング

発酵ラブソング

My One and Only Loveというラブソングは1953年に生まれた。 

当時の時間は今よりもずっとずっとゆっくりと流れていた。通信手段は手紙そして電話のコミュニケーションが主な手段であった。

電話は各家に1台、そして置かれている場所が限られていてプライバシーも少なかった。通話料金も高かった。

そんな環境の中 月並みには耐えられない個性を盛り込んだ洒落た言い回しに思いを巡らし好きな人に綴る手紙は一つの大切発酵の時間である。文字を間違えたら便箋を破いて新しいものに書き直したり、分からない文字は辞書をひく、辞書をひいたついでに新しい言葉と出会う、そしてやっと書いた便箋を畳み封筒に入れ、覚えてしまった住所を書き切手を貼りポストに入れる。そして数日後に相手に届く。

相手もまた同じプロセスを繰り返す(相思相愛であればですよ)、一つの通信が成立するまでにまあ少なくとも5日から1週間かかるわけです。

この1週間という時間がまたさらなる発酵のプロセスを生む。

春の沈丁花の香り、雨上がりの水分を含んだ木々の香り、太陽の光を反射した蓮の葉に座っている水玉の眩しさ、紅葉の無限なグラデュエーションの全ての色を表現してみたりと。。。全ての発酵菌が貴方感性を刺激しその思いを熟成させる。

この時間をかけ発酵した音楽と歌詞が60年以上経った今でも歌い継がれ愛され心に響く要素なのですよ! わかりますよね?

時は立ち インターネットの時代に入りE mail, ショートメール、一人に一台の携帯電話、世界中無料でかけられるネット電話それも相手の顔を見ながら話ができるとは誰が60年前に想像しただろう?

送ったメッセージは数秒で返事が来る。大した時代ですな〜

『ね〜今何している?』『コーヒー飲んでる。』

『いまどこ?』『ローズガーデンのベンチ』

そして短縮語、絵文字、アブリビエーション:

例えば英語だと

OMG (Oh, my god)

2nigt ( Tonight)

DUR? ( Do you remember?)

EOD- End of day..

なんですかこれは??

なんと趣の無い、パサパサのコミュニケーションであろうか。

両手の親指でキーを叩く貴方、携帯電話のスイッチをオフにして

心の発酵を見直して欲しいと思います。

発酵はワイン、味噌、納豆などこの静かな時間をなくしては語れないものが多々あるにも関わらずインスタント食品が数分後には食べられると言ったことになってしまった時代に失ったものは大きいのです。

もう一度言います、両手の親指でキーを叩く貴方、携帯電話のスイッチをオフにして心の発酵のプクプクという音を聞いて欲しい!

《日本語和訳歌詞》

My One and Only love

作詞/ロバート・メリン Robert Mellin 1953

作曲/ガイ・ウッド  Guy Wood 1947 ji

君への強いこの思いに、僕の胸は歌うように高鳴る

それはまるで4月にそよぐ春風を受けて羽ばたくように

そこにいるあなたの存在すべてが輝いて見える

僕のただ一人の人・・・愛しき君

夜の帳がおり、あたり一面は神秘の美しさに包まれる

静かな夜・・・君は僕の腕の中

そして、その唇に優しいぬくもりを感じる

あぁ、この世でただ一人の、愛しい君

The very thought of you makes my heart sing

Like an April breeze on the wings of spring

And you appear in all your splendor

My one and only love…

https://www.youtube.com/watch?v=qkWplI8fOyM&t=51s

Califusa Sunset

浅学(せんがく)にして菲才(ひさい)右脳、五感型 人間。 そういう人間が文章を書くとすれば自分が実見して知っていることを書くことしかない。 好きな場所に住めること  そこには心を豊かにさせる何かがある そんなカリフォルニア ライフを記録として綴ってみた。

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